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年末調整の対象となる期間はいつからいつまで?締め日・支給日で決まる範囲【2026年版・税理士が解説】

この記事は2021年に公開したものを、2026年9月に令和8年分(2026年分)の年末調整に合わせて全面的に書き直しました。

結論

年末調整の対象は、その年の1月1日〜12月31日に「支払われた」給与・賞与です。

「いつ働いたか」ではなく、「いつ支給されるか(支給日)」で決まります。たとえば12月に働いた分の給与が翌年1月に支払われるなら、それは翌年の年末調整に入ります。

簡単な話のようですが、実は迷いやすいのがこの「期間」です。とくに扶養の範囲内で働きたい方は「いつからいつまでの給与を数えればいいのか」を正しく知っておかないと、気づかないうちに壁を越えてしまうことがあります。この記事では、締め日・支給日のパターン別に、どこまでが今年の年末調整に入るのかを整理します。

目次

なぜ迷うのか? 「働いた期間」と「支給日」はズレている

給与は、働いた期間をどこかで区切って(締め日)、その分を計算してあとから支払います(支給日)。この「締め日」と「支給日」のズレが、迷いのもとです。

働いた期間12/21〜1/20この分を計算
締め日1月20日ここで区切る
支給日1月25日税金はこの日で判定

所得税のルール(給与をいつの収入とするか)

  • 支給日が決まっている給与 → その支給日の収入
  • 支給日が決まっていない給与・賞与 → 実際に支払いを受けた日の収入

(所得税基本通達36-9)

つまり上の例では、12月21日〜1月20日に働いた分は「1月25日の収入」です。去年12月に働いた分も、今年の給与としてカウントされます。

締め日・支給日パターン別 早見表(令和8年分)

令和8年分(2026年分)の年末調整に入るのは、2026年1月1日〜12月31日に支給日がある給与です。よくあるパターンで見ると次のとおりです。

締め日・支給日令和8年分の年末調整に入る給与働いた期間でいうと
月末締め・当月25日支給2026年1月25日〜12月25日に支給された12回分2026年1月1日〜12月31日に働いた分(ほぼ一致)
20日締め・当月25日支給2026年1月25日〜12月25日に支給された12回分2025年12月21日〜2026年12月20日に働いた分
月末締め・翌月10日支給2026年1月10日〜12月10日に支給された12回分2025年12月1日〜2026年11月30日に働いた分
15日締め・翌月5日支給2026年1月5日〜12月5日に支給された12回分2025年11月16日〜2026年11月15日に働いた分
ポイント:翌月払いの会社では、2026年12月に働いた分(2027年1月支給)は今回の年末調整には入らず、来年(令和9年分)の対象になります。

賞与(ボーナス)は「実際にもらった日」で判定

賞与は、支給日が就業規則などで決まっていないことも多いものです。その場合は「実際に支払いを受けた日」の収入になります。2026年12月に受け取った冬の賞与は令和8年分、もし支払いが2027年1月にずれ込めば令和9年分です。支給日が規則で決まっている会社なら、給与と同じくその支給日で判定します。

「扶養の壁」を意識している方へ ― 数え方を間違えると壁を越えることも

扶養の範囲内で働きたい方が気にする「年収の壁」も、年末調整と同じ「1月1日〜12月31日に支給された給与の合計」で判定します。令和8年分の所得税の主な壁は次の3つです。

136万円
配偶者控除・扶養控除の対象になる年収の上限
(令和7年分は123万円)
159万円
19〜22歳の子(大学生年代)で親が満額(63万円)の控除を受けられる上限
(197万円まで段階的に縮小)
178万円
本人に所得税がかからない年収の上限
(配偶者は169万円までなら配偶者特別控除が満額)

※ 社会保険(健康保険・年金)の壁(130万円など。106万円の基準は2026年10月に撤廃)は、税金とは別のルールで判定します。詳しくは「年収の壁」は令和8年からこう変わるをご覧ください。

自分の年収が「どこまでの給与」で計算されるかを確認する方法

  • 昨年の源泉徴収票の「支払金額」を見る → 昨年1〜12月に支給された給与の合計。これと同じ数え方で今年も判定されます。
  • 給与明細の「累計」欄を見る → 今年に入ってから支給された給与の合計が分かります。
  • いちばん確実なのは、勤務先に「何月支給分までが今年の年末調整に入りますか?」と聞くことです。
注意:小規模な事業所などでは、本来のルールと違い「12月31日まで働いた分(翌年1月支給)」まで含めて年末調整をしているケースが実際にあります。その場合、壁の判定に入る給与も1回分多くなります。「昨年はどこまでの給与で計算されていたか」を必ず確認してください。

年の途中で入社・退職した場合

  • 年の途中で転職した方:前の勤務先の源泉徴収票を今の勤務先に提出すると、前職の給与(今年1月以降に支給されたもの)と合算して年末調整してもらえます。
  • 12月の給与を受け取る前に退職した方:原則としてその会社では年末調整をしません。再就職しない場合は、翌年に確定申告をすると払いすぎた税金が戻ることがあります。

よくある質問

12月に働いた分の給与が1月に支払われる場合、どちらの年の年末調整に入りますか?

翌年分です。給与は「支給日」の年の収入になるため、2026年12月に働いて2027年1月に支給される給与は、令和9年分(2027年分)の年末調整の対象になります。

12月25日が支給日なのに、会社の都合で支払いが翌年になった給与はどうなりますか?

支給日が決まっている給与は、実際の支払いが遅れても「支給日」の年の収入です。12月25日支給分は、未払いのままでも令和8年分の年末調整に含めます(未払いの部分は源泉徴収票の「未払」欄に記載されます)。

扶養の壁を判定する年収は、交通費も含みますか?

税金の壁(136万円など)の判定では、非課税の通勤手当(電車・バスなら月15万円まで)は含みません。一方、社会保険の130万円の壁は通勤手当も含めて判定するので、どちらの壁の話かで答えが変わります。

税理士からひとこと

事業主の方へ:締め日と支給日の決め方は、年末調整だけでなく、源泉所得税の納付や資金繰りにも関わります。年末調整の時期に「何月支給分までが今年の対象です」と一言伝えておくだけで、パートさんからの「私の年収はいくら?」という問い合わせがぐっと減ります。給与計算から年末調整まで、事務所で一緒に整えることもできますので、お気軽にご相談ください。

年末調整の書類の書き方は、こちらの記事にまとめています。給与計算・年末調整のご相談も受け付けています。

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