年末調整 超簡単に書く方法【税理士が解説】

 

今年も年末調整の時期がやってきましたね!

今回は、年末調整の書類の書き方について、説明します。

年末調整の期間については、こちら

では、年末調整とは・・・

①12月の最後の給料が決まれば、今年の年収が確定!

➁その確定した年収から今年の税金(所得税)を計算

毎月、給料から差し引かれてきた税金の合計と比較・・・その税金の合計(毎月の分)が多いか少ないか

④・その税金の合計が多かった場合→税金が戻ってくる

 ・その税金の合計が少ない場合→税金を払う。 これを12月の給与で調整します。

このように税額を年末の給与で調整することを「年末調整」といいます。

年末調整をするためには、税金の計算をするための資料として、書かないといけないことはしっかりと記入しないと、税金が高くなってしまうかもしれません。 

でも、書類を読んでもよくわかない。

そんな人のために、簡単な年末調整の書き方を説明します。

9割以上の人が年末調整の書類に記載しなければならない項目は、下記の内容です。

・配偶者控除

・扶養控除

・障害者控除 

・ひとり親控除 

・寡婦控除 

・勤労学生控除

・生命保険料控除

・社会保険料控除

・地震保険料控除

・小規模企業共済等掛金控除 

でも書類の項目が多くて難しく感じる。

でも実際、シンプルです。それは・・・。

これらを見極めれば、5分で書けます。(人によっては10分)

では、確認してみましょう。配布されている書類はおそらく以下の書類だと思います。

①〇〇年分 扶養控除等申告書(翌年分)
保険料控除等申告書(今年の分)
基礎控除申告書 兼 配偶者控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書(今年の分)

1つずつ見ていきましょう。

目次

1. 扶養控除等申告書

・配偶者控除 ・扶養控除 ・障害者控除 ・勤労学生控除 ・ひとり親控除 ・寡婦控除

これらの控除を受けるために記載する書類が下記になります。

この書類は、給与の支給を受けるために、自分自身のことを会社に届けるために記載する書類でもあります。

 

参照:https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_01.htm

上記画像のボックス部分を記入するだけです。

  •   :全員が記入(本人の住所・氏名等)
  • 1:配偶者について記入する。※配偶者控除等を受ける場合。
  • 2・3:扶養親族について記入する。※A
  • 4:障害がある場合。離婚して子どもを扶養している場合。勤労学生の場合。※B

※A:2には16歳以上の扶養親族。3には16歳未満の扶養親族を。

(注)誰かの扶養に入っている人は、こちらでも扶養家族とすることはできないので、書かないようにしましょう。

※どちらで書くか悩んだ場合は、税金を多く払っている方で控除するようにしましょう。詳しく知りたい場合は、状況を記載してお問い合わせください(^^♪。

※B:障害者控除を受ける場合は、誰が、どのような障害(等級等)があるかをわかるようにしておきましょう。障害者手帳のコピーを添付するように言われる会社もあるかもしれません。

他の項目については、特に必要がなければ記入しなくても問題ないと思います。

2. 保険料控除申告書

・生命保険料控除 ・社会保険料控除 ・地震保険料控除 ・小規模企業共済等掛金控除 
「保険料控除申告書」は、生命保険や社会保険料等を支払った場合に、年末調整で控除を受けるために、記載する書類です。
何も払っていないという人は、下記の赤の部分のみ記入するだけです。
自分に関係ない部分は読み飛ばしてください。
 
  • 全員が記入(本人の住所・氏名)
  • 1:生命保険料の記入。
  • 2地震保険料の記入。
  • 3社会保険料等の記入。
  • 4小規模企業共済等の記入。

1:生命保険について

 生命保険料控除は、保険会社から控除証明書が送られてきます。その控除証明書に書かれている内容をここに書き写し、各区分ごとの合計の保険料から控除額を算定します。

書く前にまず、控除証明書を見てもらうと。。

  1. 一般(新制度・旧制度)
  2. 介護医療
  3. 個人年金(新制度・旧制度)

これら3つの分類ごとに保険料の金額が書かれていることがわかると思います。

この分類ごとに、申告書に記入するだけです。

新制度の場合:各区分(一般・介護医療・個人年金)ごとに合計した保険料が8万円を超える場合は、その区分の控除額は4万円になります。※旧契約の人:10万を超える場合は、5万円になります。

記入する金額は、年末時点の保険料の額です。(「参考額」として年末の額が書かれている場合もありますが、年末調整は、年末時点でいくらの保険料を払ったかで計算しますので、その参考額を記入します。)

※新制度とは:平成24年1月1日以後に契約したものになります。

2:地震保険について

地震保険は控除証明書の金額をそのまま記入します。

ただし、保険料が5万円を超えている人は、5万円です。

※通常は5万円を超えるほど払う人は少ないと思います。(私は見たことがないです。)

※旧長期損害保険料の控除証明書も昔は、たまにありましたが、最近は、あまり見なくなりました。

3:社会保険料について

  1. 国民健康保険
  2. 国民年金保険
  3. 後期高齢者医療保険 etc
  4. その他

支払額をそのまま記入します。(本年の1月1日~12月31日までの間に支払ったもの、支払う予定のもの。)

年末調整は、年末時点の状況についてを記載する書類になるのですが、早めに提出するように会社から言われると思います。ですので、年末までに確実にはらう予定のものは含めていても問題ありません。

4:小規模企業共済等

  1. 小規模企業共済の掛金
  2. ideco (イデコ) etc

こちらも社会保険料と同じで、控除証明書に記載されている金額をそのまま記入するだけです。

idecoは確定拠出年金のところに記入です! (最近、増えてきましたね。ideco。私もよく節税の一つとして勧めています。)

3.基礎控除申告書 兼 配偶者控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書

 

この書類は、ほとんどの人は、1部分 だけ記入して終わりです。

基礎控除申告書

 の部分は左側に年収を書き右側に所得を書きます。

 年収   収入金額  所得金額

500万の人  500万   356万
400万の人  400万   276万   
300万の人  300万   202万
200万の人  200万         132万

※ここに書く収入や所得はまだ確定していない見積額になるので、大体で良いです。12月の給与と賞与をもらったら今年はいくらくらいになるって感じの金額です。

交通費は含むの??(含みません)とか、細かいことも気にしなくていいです。

なぜなら、ここの記入で気をつけないといけない人は、所得が900万を超える人だからです。所得が900万を超える人っていうのは、給与の年収で言うと、約1,100万円くらいの人です。

このように、900万を超える人は、基礎控除の額が変わるので、慎重に記入してください。
(副業がめっちゃ儲かっていて、それと合わせて900万超えるという人も、関係します。ただ、その人は、もし間違っていても確定申告の時に、修正できます。)

所得900万を超えない人は全員、結果が A となりますので基礎控除額は48万円になります。

☆補足。。☆

給与所得の金額が知りたい人は、下記の国税庁のHPで自動計算ができます。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1410.htm

方法は、ページの最下部まで行くと下記のような数字を入力するところがありますので、入力をします。

 

 

 

 

そして、「計算する」ボタンを押すと、下記のように、、、

 

 

 

所得金額が表示されます。(画像は500万と入力すると、356万と出てきたものです。)

その他部分は、該当者のみで大丈夫です。 該当者は 下記の人になります。

1:配偶者(特別)控除を受ける人

2 : 年収が850万以上の人 で 特別障害者(本人・扶養家族) か 23歳未満の扶養親族がいる人 

1:配偶者(特別)控除を適用する人

 1配偶者の状況を記入をします。

収入金額 と 所得金額を間違えないように記入します。

  • 配偶者控除が適用できるのは、配偶者の年収103万円までの人。
  • 配偶者特別控除が適用できるのは、配偶者の年収が201万までの人。

所得金額の計算は下記参照。

2:年収850万以上の人 で 特別障害者(本人・扶養家族)か23歳未満の扶養親族がいる人

これは、税制の改正に伴って、子育て世帯などが増税にならないように配慮されたもので、年収が850万円以上の人だけが関係します。850万円を超える人だけ、こちらに必要事項を記入すればよいです。

以上が年末調整の書類の書き方になります。

年末調整でのメインは、保険料の控除扶養家族を申請することになりますので、関係のある項目とない項目を判断すると、記入時間はわずかで済むと思います。

なお、年末調整では、「住宅ローン控除」を受ける方こともできます(2年目~)ので、該当する人は、「年末残高証明書」「住宅借入金等特別控除申告書(該当年分)」を一緒に添付しないと受けれないので、忘れないようにしましょう。

 

さいごに

ふるさと納税をされている方がいるかもしれませんが、ふるさと納税は、寄付金控除になるので「確定申告」になります。 なので「年末調整」では、特に領収書などをつける必要はありません。その代わり確定申告書をしなければいけません。

それと、サラリーマンなどで確定申告をしない人で、自治体が5以内の人は「ワンストップ特例」という「確定申告」をしなくてもいい制度があります。この特例の届出書を出していれば、何もしなくてよいので、出し忘れないようにしておきましょう☆

ふるさと納税の限度額については、こちらのページで説明していますので、よければご参考にしてください。

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