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パソコンでご覧の方は、スマートフォンでQRコードを読み取ってLINEの友だち追加ができます。※ 2024年10月に公開した記事を、2026年4月施行の改正民法(財産分与の請求期間の延長など)にあわせて、2026年9月に全面的に書き直しました。
離婚のご相談の中で、ときどき「財産分与って、税金がかかるんですか?」と聞かれることがあります。
結論から言うと、お金で分けるなら、基本的に税金はかかりません。ただし、自宅などの不動産や株式で分けると、渡す側に税金(譲渡所得税)がかかることがあります。この記事では、「もらう側」と「渡す側」に分けて、財産分与の税金をわかりやすく整理します。
この記事のポイント
財産分与とは、離婚をしたときに、夫婦が婚姻中に協力して築いた財産を分け合う制度です(民法768条)。預金や自宅の名義がどちらになっているかに関係なく、実質的に夫婦の協力で得た財産かどうかで判断します。
2026年(令和8年)4月1日に改正民法が施行され、財産分与のルールが次のように変わりました。
| 項目 | 改正後のルール |
|---|---|
| 請求できる期限 | 2026年4月1日以後に離婚した場合は、離婚から5年以内(それ以前に離婚した場合は、従来どおり2年以内)。話し合いがまとまらないときに家庭裁判所へ申し立てられる期限です。 |
| 分け方の目安 | 夫婦の貢献の程度が違うことが明らかでない限り、原則2分の1ずつと条文に明記されました。 |
| 考える事情 | 財産の額、婚姻期間、生活水準、年齢、職業、収入など、一切の事情を考慮することが明記されました。 |
財産分与の税金は、「何で分けるか」と「渡す側か、受け取る側か」で変わります。
| 分与する財産 | 渡す側 | 受け取る側 |
|---|---|---|
| 現金・預金 | かからない | 原則かからない (多すぎる部分は贈与税) |
| 土地・建物 | 譲渡所得税 (値上がり益がある場合) | 贈与税は原則かからない 登録免許税・固定資産税などはかかる |
| 株式・投資信託・ゴルフ会員権など | 譲渡所得税 (値上がり益がある場合) | 原則かからない |
財産分与で受け取った財産は、夫婦の財産の清算や、離婚後の生活を支えるための「財産分与請求権」にもとづいて受け取るものです。タダでもらう「贈与」とは性質が違うため、原則として贈与税はかかりません(相続税法基本通達9-8)。
「いくらを超えたら多すぎる」という明確な基準はありません。夫婦ごとの事情で変わりますので、原則の2分の1から大きく外れる分け方をするときは、事前にご相談ください。
贈与税がかからなくても、不動産を受け取ると次の税金はかかります。
現金や預金で財産分与をした場合、渡す側に税金はかかりません。
不動産や株式などで財産分与をすると、渡す側はその財産を分与した時の時価で相手に売ったのと同じ扱いになります(所得税基本通達33-1の4)。「財産分与をする義務」が、不動産を渡すことで消えるという利益を得たと考えるためです。
そのため、買ったときより値上がりしていれば、その値上がり益に譲渡所得税(所得税・住民税)がかかり、翌年の確定申告が必要です。お金は1円も入ってこないのに税金だけがかかるので、分け方を話し合う段階で知っておきたいポイントです。
譲渡所得の計算式
譲渡所得 = 分与した時の時価 -(取得費 + 譲渡費用)
※ 建物の取得費は、購入代金から減価償却費相当額を差し引いた金額です。
自宅(マイホーム)を渡す場合は、譲渡所得から最高3,000万円を差し引ける特例(居住用財産の3,000万円特別控除)が使える可能性があります。ただし、この特例は配偶者への譲渡には使えません。
つまり、離婚届を出す前(まだ夫婦のとき)に分与すると特例は使えず、離婚が成立した後に分与すれば使えるということです。所有期間が10年を超える自宅の軽減税率の特例も同じです。
計算例:自宅マンションを財産分与した場合
20年前に購入したマンション(取得費は減価償却後で2,200万円)を、時価3,500万円で財産分与
→ 譲渡所得は 1,300万円
離婚の前に分与
3,000万円控除:使えない
税額(20.315%):約264万円
離婚の後に分与
3,000万円控除:使える
税額:0円
※ 分かりやすくするため簡略化しています。特例には「住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡」などの要件があります。税額は0円でも、特例を使うための確定申告は必要です。
なお、住宅ローンが残っている自宅を分与するときは、ローンの名義や連帯保証の整理が必要になり、金融機関の承諾が要ることもあります。相手のローンを代わりに払い続ける約束をすると、その負担が贈与と見られることもあるため、取り決めの内容には注意が必要です。
原則としてかかりません。財産分与は夫婦の財産の清算なので、贈与にはあたらないためです。ただし、分与の額が多すぎる部分や、税金を免れるための離婚と認められる場合は、贈与税がかかります。
不動産を渡すと、その時の時価で売ったものとみなされ、渡した側に譲渡所得の税金がかかることがあるためです。自宅であれば、離婚後に渡す場合は3,000万円の特別控除が使えることがあります。
2026年4月の民法改正で、離婚から5年に延びました(改正前に離婚した場合は2年)。期限が近い場合は、早めに専門家へ相談してください。
税理士からひとこと
自宅などの不動産で財産分与をするときは、「離婚の前か後か」「いつ名義を変えるか」で税額が大きく変わることがあります。分け方が決まってからでは選べないこともありますので、協議書を作る前に、一度税金の面も確認しておくことをおすすめします。不動産の分与や売却の確定申告も承っています。
不動産売却の確定申告についてご予約・お問い合わせ参考